アリの巣における協働の仕組みをご存知ですか?アリは最大で自分の体重の5,000倍の重量を持ち上げることができますが、共通の目標に向かって一丸となりこの強さを発揮するとき、その労働力は無敵のパワーを発します。革新的なソリューションを開発する上で開発者の力と創造性を活用することのメリットを認識していたアクシスは、10年以上前にAXIS Camera Application Platform(ACAP)を開発・構築した際に、多くの点でこれらと同じ原則を適用しています。ACAPの最新版であるバージョン4では、Axisプラットフォーム上でコンピュータビジョンアプリケーションを開発するための容易性をさらに高めています。
アクシスのエッジアプリケーション部門、グローバルプロダクトマネージャー、アンダース ヨハンソン(Anders Johansson)氏に、この先駆的なプロジェクトの原点と発展、そして今後の展望について伺いました。
ACAPは、開発者がネットワークカメラからビデオエンコーダーまで、さまざまなアクシスのデバイスにダウンロードできるアプリケーションを作成できるようにするオープンアプリケーションプラットフォームです。今日、ACAPにより、誰でもアクシス製品用の幅広いコンピュータビジョンアプリケーションを開発およびマーケティングできるようになりました。これが、監視ソリューションの強化、強力な分析の提供、機能を拡張、そしてビジネス効率の向上につながっています。
ACAPアプリケーションの開発に必要な技術資産、つまりACAPの SDK(ソフトウェア開発キット)、ドキュメント、コンパイラーなどは、開発者向けに無料で提供されているアクシス開発者コミュニティで入手できます。ACAPアプリケーションを商用ソフトウェアとして提供を検討される場合には、アクシスアプリケーションパートナー(ADP)プログラムに参加いただくことで、コピー防止ツールなど他のリソースへアクセスでき、自社のACAPアプリケーションをアクシスのWebサイトで告知することもできます。
その原点:「ACAP強化合宿」で頭を捻り、コーディングを実施
過去にさかのぼり、ACAPがどのように始まったのかを見てみましょう。
「私たちが開発したACAPは、セキュリティ業界にそのようなオープンなアプローチが存在しなかった2009年に生まれました。 アクシスは先駆者だったと言っても過言ではありません。私が今見回してみると、ますます多くの企業がこの種のプラットフォームを提供していることがわかります。これはこの戦略が認められたと言えるでしょう」とヨハンソン氏は言います。
アクシスには常にパートナープログラムがありました。ネットワーク内でコラボレーションを促進することは、当初から会社の重要な哲学の一端をなしていました。これには、サプライチェーンだけなく、ソリューションの開発、流通、販売が含まれます。 「ACAP開発の最初のステップとして、9人のパートナーをルンドの本社に招待し、アクシス デバイスで実行できるアプリをパートナーが作成できるようにするために何が必要かを話し合いました。それは大きな投資でした。彼らは、適切なアプローチを見つけるための激しい会議、話し合い、コーディング、テストに1週間滞在しました」とヨハンソン氏は言います。
当時、業界にはビデオ分析を取り巻く誇大宣伝がありました。ますます多くのベンダーがビデオ分析を可能にするハードウェアデバイスを開発していました。これは通常、クローズド エコシステムに基づいており、分析はデバイス側ではなくサーバー側で一度に行われました。 ACAPの最初のイテレーションは、市場の要求に合わせて、ビデオ分析に注力しました。開発者は、ビデオをできるだけ効率的に処理する最も効果的な方法を検討していました。しかし、ACAPは閉ざされたエコシステムを作るのではなく、幅広いコミュニティにアクセスすることが最良の結果を生むという、Axisのオープン性の哲学を反映しています。
ACAPの発展:ビデオ分析を超えて
過去12年間で、ACAPを使用したアクティブな開発者の数は、ACAPが考案された最初の週と比較して10倍に増加しています。主な理由の1つとして、ネットワークビデオカメラやその他のセンサーの品質を大幅に向上させた技術開発が挙げられます。
しかし、ヨハンソン氏は次のように説明しています。「一見ささやかに見える小さな開発が、重要なアプリケーション開発の転換点になりました。「入力/出力ポートを有効にし、開発者がオーディオを使用できるようになったことで、新しいタイプのセンサーを使用し、そのデータをデバイスで実行されているアプリケーションで処理できるようになりました。 ACAPは、開発者がこのすべてのデータをVMSやその他のシステムに取り込むための架け橋となったのです。多くのソースとセンサーからのデータを組み合わせることで、まったく新しい多くのアプリケーションが誕生することになりました。」
ACAPの理念は、私たちのテクノロジーを最大限に活用するアプリケーションを開発する機会を、多くのスマートでクリエイティブな人々に提供することです。
カメラやセンサーからVMSに至るまで、システム全体でデータを使用することの潜在的な価値を認識していたアクシスパートナーが、最大のメリットを享受しました。
「カメラは、従来から何が人なのか物体なのかを検出することができました。それ自体も有用ですが、真の価値は、特定の状況でその知識を適用する方法を考え出すことです」とヨハンソン氏は付け加えます。
オープン性はアクシスのDNAの一部であり、それは技術的な面でも、プログラムそのものの哲学の面でも同様です。新バージョンのACAPは、世界中の開発者に馴染みのある業界標準の技術フレームワークとオープンAPIを採用し、Axisカメラでのアプリケーション開発の敷居を大幅に下げています。
アプリケーションの幅広い可能性
現在、ACAPはアクシス製品の大部分でサポートされています。製品がACAPをサポートしていないとすれば、その製品が主にビデオ監視に焦点を合わせている製品でないか、追加のアプリケーションをホストするための十分な追加リソースがない場合です。
ヨハンソン氏はさらに次のように述べています。「ACAPの理念は、当社のテクノロジーを最大限に活用し、顧客に最大の価値をもたらし、パートナーが自分のビジネスを成長させることを可能にするアプリケーションを開発する機会を多くのスマートで創造的な人々に与えることです。」
ACAPの今後の展望
ACAPは発展と進化を続けています。テクノロジーの進化の加速により、革新的なアプリケーション開発の機会が数多く開かれ、業界全体の成長は、ますます多くの新しい開発者を魅了しています。
「私たちは、開発と、そのアプリケーションをより広範なシステムインテグレーターとパートナーコミュニティに売り込む能力の両方に関して、パートナーのサポートを強化することに常に注力しています。これには、アクシス製品の革新的なソリューションを生み出そうとするすべての人が開発ツールにアクセスできるようにすることも含まれます。」
ヨハンソン氏はさらに、「創造性と革新をサポートすることを目的としています。ACAPの最新バージョンでは、ボタンを押すだけで、Axisカメラ上にアプリケーションを移動させることができるようになり、さらに簡単になりました。これは、現在サーバー環境の開発者であろうと、クラウドネイティブの開発者であろうと、これらの環境のいずれかからエッジにアプリケーションを移動させたいと考えている場合にも当てはまります。」と述べています。
ACAPアプリケーションを開発するためのツール
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