世間では、AIに対する関心が高まっています。そして、防犯とビデオ監視業界にはその可能性が溢れています。より多くの製品が市場に登場する中、そのメリットに惹かれてAI搭載カメラへの移行を検討する顧客が増えています。
Axisは、当社の製品にAIを組み込むことに取り組んでいます。その結果、新しく開発された弊社のカメラは全てAIに対応しています。弊社のポートフォリオに含まれる多くのAIおよびディープラーニング機能の基本は、 システムオンチップ(SoC)です。本記事では、将来的な保証だけでなく、今日のメリットの観点から、AI搭載カメラに投資することでもたらされる価値についてご説明します。
長期的な思考: 将来を見据えたセキュリティソリューション
防犯カメラの耐用年数は 5年以上に及ぶ可能性があります。そのため、防犯とビデオ監視ソリューションの顧客は、長期的な視点で投資を検討する必要があります。新しいカメラは、経時的に将来的なユースケースと価値を実現するプラットフォームとして捉える必要があります。現時点でも、AI搭載の防犯カメラにより非常に現実的なメリットがもたらされます。しかし、将来的なプラットフォームのイノベーションにより、あらゆる業界でAI搭載カメラの機能が加速されると考えられます。
ビデオ監視におけるAI、ディープラーニングの機能は高度化しています。現在では、シーンで発生する事象をはるかに直感的に捉えられるように防犯カメラを「トレーニング」して、リアルタイムで分析することができるようになりました。現在利用可能なAI対応機器の分析機能のみに焦点を当てて考えると、近い将来と長期的な未来に開発され得るアプリケーションの可能性を見逃してしまうかもしれません。
AIカメラのメリットをすぐに実現
AIを搭載したカメラへの投資は、人によってはなじみがないと思われるかも知れません。しかし、この投資からすぐに得られるメリットはたくさんあります。AIカメラに投資することで、カメラ導入と同時に、セキュリティ、安全性、運用効率におけるメリットが実現します。弊社のポートフォリオに含まれるほとんどのAIカメラは、 ディープラーニングに基づいた分析機能により、より正確な物体検知とシーンの詳細の分類を可能にしています。
以前は、ビデオ動体検知を用いた監視カメラ映像のエッジ分析により、動く物体や人物を捉えることができました。これをビデオ管理ソフトウェア (VMS) でさらに分析した後、人間のオペレーターがその動きの原因を正確に検証し、脅威やセキュリティリスクがないかどうかを判断できました。
しかし、ディープラーニングによって、カメラシステムを「トレーニング」し、特定の物体を自動的に認識、分類できるようになったため、オペレーターは揺れる草木や動きの速い影などではなく、実際の脅威に集中できるようになりました。
分類された物体はメタデータとしてVMSに送信され、人間のオペレーターがさらに分析し、プリセットされたルールに基づいて自動応答をトリガーするために使用されます。最初の分析はサーバーやクラウドではなく、カメラで行われるため、関連するデータのみがシステムを通じて送信され、貴重な帯域幅を節約することができます。
ビデオと一緒に作成されたメタデータ(基本的に、シーンで何が起こっているか、存在する物体に関する詳細情報)は、大きな飛躍をもたらします。膨大な量のビデオにおいて、車両や人物、および車両や衣服の色、移動方向など、物体に関連する属性を検索する上で、これは非常に価値の高い要素となります。
シーンメタデータは、収集された集計データからパターンや傾向を発見するためにも重要であり、より良い予測、予報、意思決定に不可欠です。変化を監視し、異常を追跡することで、時間の経過とともに何が起こっているかをより明確に把握できます。
エッジに基づいた分析機能による運用の最適化
AIを搭載したエッジに基づいた分析機能の精度が向上し、複数の異なる分類の物体を区別できるようになれば、誤検知の発生率が著しく低下します。これに伴い、誤検知を調査するための時間とリソースを節約できるようになります。現在、エッジ分析機能はより適切かつ適時に応答を作成できます。システム全体に処理を分散させることで、コストの削減だけでなく、より優れたユーザーエクスペリエンスとより大きな顧客価値が実現します。
Axisは、弊社のデバイスと互換性のあるエッジに基づいた分析機能にアクセスするためのさまざまな方法を提供しています。Axisが開発した 分析機能は、弊社のデバイスで最適に動作するように特別に設計されており、多様なユースケースに対応する幅広いソリューションを提供します。エッジに移行する開発者の敷居を下げるために設計されたプラットフォームの AXIS Camera Application Platform (ACAP)を通じて、エッジで動作するパートナー開発の分析機能アプリケーションにアクセスしたり、特定のユースケースを解決するために設計されたオーダーメイドの分析機能を開発したりすることができます。
開発者が創造性を駆使すれば、AI搭載カメラの可能性は無限に広がります。彼らは常に分析機能を拡張し、新世代の分析機能アプリケーションの開発を推進しています。
AIの導入: 先進的な決断
AI搭載カメラへの移行を「盲信的」と考えるのは正しい姿勢ではありません。これは、創造性に向けた第一歩に過ぎません。メリットは実際にあります。AIの利用により実現する誤警告の削減というメリットを一度でも味わえば、 過去の状態に戻りたいとは思わないはずです。
防犯カメラのライフサイクルは長期にわたります。今日、AI搭載カメラに投資することで、今後何年にもわたってその価値と可能性を解き放つことができるのです。近視眼的な見方で、未来に向けたビデオ監視システムの可能性を断ち切らないでください。