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すべてはSoCから: あらゆるレイヤーに品質を

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ARTPEC SoC, quality in every layer

顧客は、技術が可能にする最高品質のビデオ監視を期待しています。これを実現するためには、製造工程全体を可能な限りコントロールすることが不可欠なだけでなく、カメラの最も基本的な側面であるシステムオンチップ(SoC)を製造することも大きな利点となります。

1999年に初めて製品化され、現在9世代目の後継製品であるARTPEC SoCは、最高品質のネットワークカメラを提供するための基盤です。性能に重点を置いてビデオ監視用に特別に設計された 最新のARTPEC-9 SoCは、次にあげる弊社の前世代のSoCの特徴である卓越した機能に磨きをかけています: 低ビットレート、AIを活用した分析、優れた画像処理、内蔵サイバーセキュリティ。 また、Alliance for Open Mediaによるオープンソースのビデオエンコーディング規格であるAV1も導入しています。AV1をサポートし、画像処理を強化することで、妥協のないディテールと鮮明さ、クラス最高のビットレートによる高品質な映像を実現します。 Axisは、自社のSoCの設計と製造をコントロールすることで、サイバーセキュリティの脅威などの外部要因の進化に対応しながら、顧客のニーズに最適化された製品を開発できます。

自社品質

監視カメラの高画質というコンセプトには、さまざまな形があります。高解像度の画像を提供することは当然のことですが、顧客それぞれのニーズに応える使いやすい機能も同様に重要です。最近では、エッジでのAIベースのアプリケーションを含む分析機能アプリケーションをサポートする能力が重要性を増しています。品質のあらゆる側面を満たす能力の中心となっているのがARTPEC SoCです。

20年以上にわたる開発の結果、幾つかの要因によって市場でユニークなSoCが誕生しました。主なものの1つは、ARTPEC SoCが自社で仕様化され、開発されているという事実です。 一見すると、これは取るに足らないことのように思えますが、実はARTPEC SoCが顧客にもたらす数多くの利点の基礎になっています。

AxisのSenior Expert Engineer、Stefan Lundberg氏は次のように説明します: 「ARTPEC SoCは常に効率的な画像処理と画像圧縮のために、または言い換えると、明日の高品質ネットワークビデオの需要を満たすために最適化されてきました。これにより、非常に高い有用性を持つビデオを提供するだけでなく、高い性能、優れた帯域利用効率、AIベースの分析機能をエッジで実行する能力を提供するネットワークカメラを提供することができます。また、自社開発により、SoCを弊社のカメラ機能、ひいては顧客のニーズに適合させることができます」

Stefan Lundberg, Senior Expert Engineer at Axis
社内SoC開発の利点について説明するStefan Lundberg氏: 「…SoCを弊社のカメラ機能、ひいては顧客のニーズに適合させることができます」

最前線のセキュリティ

サイバーセキュリティはIP接続カメラにとってますます重要な要素であり、顧客の主要な関心事であるため、ARTPEC SoCは現在および将来の脅威を念頭に置いて設計されています。事実、設計を所有し、SoC自体の製造をコントロールすることで、変化するサイバーセキュリティの状況に関連して、迅速な修正と最適化された設計が可能になります。

Lundberg氏はより詳細に説明します: 「ARTPEC SoCは自社で設計されているため、アーキテクチャから完成したSoCまでのプロセスを管理することができ、サプライチェーンを通してセキュリティ脆弱性の侵入を許すようなギャップが無いことを確認できます。弊社のSoCをこのように詳細に知ることで、 潜在的なセキュリティリスクを他の場合よりもはるかに早い段階で特定し、軽減できる可能性が高まります」

最新世代のSoCであるARTPEC-9は、ARTPEC-7で導入済みのサイバーセキュリティ機能をベースにしています。それらには、署名付きソフトウェア(セキュアに認証されたソフトウェアのみをインストールできるようにするもの)や、セキュアブート(不正なソフトウェアの起動を防止するもの)が含まれます。また、全ての新しいデバイスには、暗号鍵と証明書を安全に保管するためのAxis Edge Vaultが搭載され、FIPS準拠の安全な保管のためのTrusted Platform Module (TPM)を備えています。

Controlling the design and manufacture of the ARTPEC SoC
SoCの設計と製造をコントロールすることは、Axisがサイバーセキュリティへの脅威などの外部要因の進化に対処できることを意味します。

エッジでのディープラーニングとさらなるセキュリティ上の利点

ARTPEC-8で初めて導入されたもう1つの大きな利点は、強力なAIベースの分析機能を「オンザエッジ」でサポートすることです。その場合、カメラがカメラ内で生成されたデータを分析する処理能力を持ちます。主な利点は、非常にきめ細かいリアルタイムの物体検出と分類です。これにより、物体を自動的に検出し、人や車の種類など、異なる種類の物体を区別できる分析を開発することが可能になります。これらのアプリケーションは、中央サーバーにデータを送信することなく、ビデオを分析するためにデバイスに直接組み込むことができます。そして、ここにさらなるセキュリティ上の利点があります: データを分析し、データセンターに転送する前にエッジのデバイス上で匿名化および暗号化されたデータを作成することで、機密データの損失の可能性を大幅に低減します。

常に未来を見据えて

進化する顧客ニーズに対応し、将来の製品革新を推進するため、弊社はARTPEC SoCの開発を進めています。弊社の専門技術者チームは将来を見据え、明日の需要に応える次世代のSoCを設計しています。

自社でSoCを設計することで、製品のあらゆる面をコントロールすることができます とLundberg氏は締めくくります: 「弊社は自社製SoCを社内で開発することに取り組んでいます。なぜなら、何よりもまず、ネットワークビデオ監視アプリケーション向けに最適化されたソリューションを開発することができるからです。最終的には、これこそがお客様やパートナーがAxisのカメラを選ぶ最大の理由です。とはいえ、セキュリティバイデザインからシステム全体のコスト削減まで、考慮すべき点は他にもあります。自社でSoCを設計することで、製品のあらゆる面をコントロールできることは、非常に貴重なことだと考えています。この先何十年も、ARTPEC SoCの多くの進化を目にすることになるでしょう」

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