不明確な作業指示書や互換性のないコンポーネントを扱う場合、監視システムのインストールは非常に厄介な作業となることがあります。こうした問題を回避するため、サイトの設計者はAxisのハードウェアとソフトウェアだけで構成されるシステムを構築して、インストールを可能な限りシンプルにしています。
米国のエンドツーエンドソリューション事業開発マネージャーであるミッチ・メーソン氏(Mitch Mershon)は、「私がいつも例として伝えているのは、レンガの壁にカメラを取り付けようとする設計者のたとえです。これは簡単な作業ですが、設置担当者がレンガを扱うということを知らなければ、必要な工具を持っていない可能性があります。すると、工具を取りに自社へ戻るか、店舗で工具を購入するということになります。“時は金なり”ですからね。」と語ります。
もちろん、これは些細な一例ですが、プロジェクトの規模が大きくなるほど、設置担当者が適切な情報や装備を持たずに現場に到着することのダメージが、より大きくなってしまいます。Axisエンドツーエンドソリューション -Axisのハードウェアとソフトウェアで構築されるセキュリティシステム-を使用すると、このような状況を回避することができます。
必要なドキュメントをすべて提供
「設計者から設置担当者への情報の伝達は、最も困難なことの一つです」とミッチは言います。「だからこそ、ドキュメントに関しては、Axisは「more is more(多ければ多いほど良い)」アプローチを採用しています。」
AXIS Site Designer は、システムインテグレーターがエンドツーエンドソリューションを構築するためのツールです。お客様のニーズに合わせたオリジナルの監視システムを、Axisが徹底的に試験と検証を行ったカメラとセキュリティデバイスを組み合わせて構築できます。そして、製品はすべてAxisから提供されます。このアプローチの利点のひとつは、仕様書、サイトマップ、設置指示書などの緻密で正確なドキュメントが自動的に生成され、パッケージ化できることです。設置担当者は、システムを稼働させるために必要なものを正確に知ることができます。
情報の伝達という点では、“ソフトウェアと接続性”に当てはめることもできます。AXIS Site Designerは自動設定ファイルを生成できますので、これを電子メールあるいはUSB経由でAXIS Camera Stationにエクスポートすれば、インストールの時間を節約しながら、誤設定を回避することができます。また、リモート接続も簡単に行えます。Axis セキュアリモートアクセスは、セットアップウィザードで簡単にインストールできるので、手動でポートフォワーディングやルーターの設定を行う必要はありません。
この一連の流れは、設計者と設置担当者のコミュニケーションを向上させるアプローチでもあります。システムインテグレーターはAXIS Site Designerに直接メモを書き込むことができますので、必要な詳細情報とともに、設置のための情報を丸ごと設置担当者に伝えることができます。
検証済みのハードウェアとソフトウェア
設置担当者にとっては、設計されたシステムが現場で正常に稼働すると確信できることが重要です。Axisが提供するすべてのハードウェアとソフトウェアは互換性が保証されています。また、設置担当者が導入するすべてのシステムは、Axisの品質保証チームにより検証されています。これは、システムが正常に稼働することを意味しています。設置担当者は、異なるサプライヤーのハードウェアとビデオ管理ソフトウェア(VMS)を組み合わせる厄介さを引き受けることはないのです。
「エンドユーザーの視点から見たAxis機器の強みの1つは、「必ず機能する」ことにあります。」とミッチは語ります。「AxisとAXIS Site Designerによるエンドツーエンドソリューションの哲学は、設置担当者だけでなくお客様にも引き継がれていくのです。」
システム全体でのストレステスト
インストールが完了すると、設置担当者はAXIS Installation Verifierを使用してすべて正しくセットアップされていることを確認します。
「これは、ソリューション全体のストレステストを行うツールです」とミッチは説明します。「基本的には最悪のシナリオを想定し、カメラやコンポーネントに動きや音声入力をシミュレートして、PoE(Power over Ethernet)システムを通じて高い電圧をかけることで負荷をかけます。これを約15分間続けたあと、ネットワーク、プロセッサー、ハードドライブ、RAMなどの反応を示すレポートを作成します。そのため設置担当者は、システムが適切にセットアップされているか、または問題がないかをすみやかに確認することができます。」
このレポートは、メーカーの基準に従ってシステムが試験されたことを確認するため、多くの場合、エンドユーザーと共有されます。
「また、システムに搭載されているすべてのAxis製品の詳細なレポートである点も素晴らしいですね。」とミッチは語ります。「レポートには、すべてのカメラ、アクセサリー、ソフトウェアの録画とスナップショットが含まれています。後日、誰かがシステムに不正な変更を加えても、設置担当者はインストール完了時にすべてが正しく設定されていたことを証明できるので、彼らにとって重要なドキュメントとなります。」
お客様とのコミュニケーション
設計者から設置担当者への情報の伝達は非常に重要ですが、お客様が新しい監視システムを理解するために必要な情報を提供することも重要です。ここでも、エンドツーエンドソリューションの強みが活かせます。AXIS Site DesignerやAXIS Installation Verifierで生成されたドキュメントは、お客様がシステム情報を確認するときにも利用できますので、問い合わせる前に状況を整理することができます。また多くの場合、設置担当者はこのドキュメントを使ってお客様に新しい監視システムをご案内しています。ドキュメントはこの説明のプロセスにおいても、顧客満足度の向上に役立ちます。