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放送設備を超える役割 – 教育の場における音声のさまざまなメリット

Kids in a school yard

学校の日常的な運営上、コミュニケーションは重要な役割を果たします。活動に関する告知、教室の変更の連絡、時間割の変更、事務室への呼び出し、非常時の通知にいたるまで、学校というエコシステムにおいては音声が欠かせません。

ところが、まだ従来のアナログ音声システムに依存している教育機関が多いのが現状です。通常、このような古い「インターコム」システムは、孤立した状態で運用され、校内の他のシステムとの通信機能はほとんどないか、全くなく、維持費用も高額です。そこで、ネットワークオーディオの出番です。ネットワークを利用するこのソリューションは、アナログシステムと比較して必要な機器の数が少なく、1本のケーブルだけで簡単にすばやく導入することができます。統合、設定、管理が容易なデジタルソリューションである点も、従来のアナログシステムとは一線を画しています。

導入先が単独の学校か、学区全体かを問わず、ネットワークを利用するこの代替手段は、学校におけるコミュニケーションの不可欠な構成要素になりつつあります。

ネットワークオーディオ – 柔軟性に富むコミュニケーション

学校の全学生と教職員へのメッセージの一斉伝達は、教育現場における音声の重要な機能です。授業時間や休み時間の始まりと終わりを告げる定時チャイム、集会への招集など、日々の学校運営を円滑に進める上で、放送設備は中心的な役割を果たします。

グループ別、ゾーン別に放送を行えるネットワークオーディオソリューションの導入によって、放送設備に新たな機能が加わり、校内の特定のエリアに限定してメッセージを伝達することができます。ネットワークオーディオであれば、カフェテリアで昼食時間の始まりと終わりを知らせる、学校全体にわたって緊急警報を出すなど、対象ゾーンやメッセージの内容をいつでも、必要に応じて、簡単に変更することができます。

たとえば、米国ニューヨーク州のビンガムトン大学では、ネットワークオーディオを導入して、キャンパスにおけるコミュニケーションを大幅に改善しています。同大学では、全てのメッセージを、1つの校舎の屋上に設置した1台のスピーカーを使ってキャンパス全体に放送していましたが、今では、各校舎の内部に設置したネットワークベースの天井スピーカー、キャビネットスピーカーと、屋外用のホーンスピーカーを使用しています。音声管理ソリューションを使用して、対象ゾーン向けの音声メッセージを事前にプログラミングし、個々のグループに必要なメッセージだけを伝達できるようになりました。

ネットワークオーディオなら、施設全体や特定のゾーンだけを対象とするアナウンスに加えて、特定の教室向けのメッセージも簡単に伝達することができます。この場合、学校の管理部門は、特定の教員や生徒を対象にアナウンスを行えます。

ネットワークオーディオ – 安全とセキュリティの強化

このように、放送設備としてのネットワークオーディオがもたらす利点は、学校の日常的な運営を支える基本的なものです。しかし、ネットワークオーディオには、学校のセキュリティの不可欠な構成要素という側面もあり、セキュリティシステムとしての利用についても理解しておくことが重要です。学校のセキュリティ手順を策定する際に参照すべき、Partner Alliance for Safer Schools (PASS)やAlyssas’s Lawなど、複数のガイドラインがあります。これらのガイドラインは、学生、教職員、訪問者、施設を効果的に保護するための方法を学校の管理部門に伝える目的で作られています。

ビデオ監視システムにネットワークオーディオを統合すると、システムが強化され、学校の敷地内を安全な状態に保つ、事前対応型の抑止ソリューションに変身します。徘徊検出やクロスライン分析の機能をカメラに追加し、有効にするだけで、事前に録音済みのメッセージやライブ音声によって、すでに放課後であり、監視カメラで撮影中であることを潜在的な侵入者に知らせたり、訪問者を正規の入口に案内したりすることができます。

統合型の監視システムで双方向オーディオを利用することで、学校のセキュリティをさらに強化することができます。たとえば、米国フロリダ州のヘルナンド郡学区は、IPビデオとIP音声の融合によって、セキュリティの態勢が受動的なものから事前対応型へと変化しています。同学区では、ネットワークカメラのアップグレードを機に各学校の音声機能を総点検し、インターコムを導入して学校のアクセスコントロールソリューションを強化し、双方向オーディオを介して敷地内への訪問者を厳密にチェックした上で立ち入りを許可しています。

ネットワークオーディオは、学校の既存の大量伝達システムを補完するシステムとして導入することができます。不幸にも、避難や封鎖を必要とする緊急事態が発生した場合には、事前に録音済みのアナウンスを使用して、混乱やパニックを防ぐように作成した、明確で落ち着いた指示メッセージを流すことができます。これにより、スタッフ、学生、訪問者の全員が、安全確保のために最も適切な行動をとることができます。前述のヘルナンド郡学区では、各学校の教室にマイクロフォンを追加するとともに、緊急アナウンス用のスピーカーを設置しました。

教育現場でネットワークオーディオの重要性が増大

音声は、学校をはじめとする、あらゆる施設の効率的な運営と管理に必要なツールです。最新のネットワークオーディオソリューションは、アナウンス目的でも、安全目的でも、かつてないほど高い信頼性、柔軟性、拡張性を備え、簡単に導入することができます。

たとえば、オーストラリアのフラートン市にあるサンライズ・クリスチャン・スクール では、放送設備とチャイムシステムをアップグレードし、学校運営の改善を図りました。各教室に天井設置型のネットワークスピーカーを導入した結果、Webベースのユーザーインターフェースを通じた迅速で効率的なシステム運用が可能になり、個々の教室の要件に応じた警報やメッセージを作成できるようになりました。チャイムもゾーン別に設定できるようになり、必要に応じて全校向けのアナウンスをキャンパス全体で共有することができます。

製品の寿命全体を通じての価値という点でも、検討すべきメリットがあります。標準的なネットワークに接続できるオールインワン型のスピーカーシステムを導入した音声ソリューションでは、年月の経過に伴うニーズの変化に応じて、施設用の装置のカスタマイズ、更新、追加を容易に、高い費用対効果で行えます。また、IPベースの健全性モニタリング機能を使用でき、システム全体の構成が可能なため、問題があればそれに気づき、簡単に検出し、解決することができます。

ネットワークオーディオの用途は明確です。複数の目的に対応し、一貫してクリアな音質が得られ、さまざまなニーズに合わせて簡単に統合や拡張を行えるネットワークオーディオは、教室、廊下、カフェテリア、校庭などあらゆる場所で、独立型ソリューションとして使用する場合にも、ネットワークベースのセキュリティソリューションと組み合わせる場合にも、学校施設において重要な役割を果たし、子供たちの安全、幸福、教育を確実に守ります。

Axisのネットワークオーディオの教育機関への導入の詳細については、Axisの教育向けソリューション、または音声ソリューションのページをご覧ください。Axisエクスペリエンスセンターでは、教育機関向けにカスタマイズされた音声ソリューションについて詳しく知ることができます。最寄りのセンターに予約の上、ご来場ください。

Education Solutions | Audio Solutions | Axis Experience Center

Chris Wildfoerster

Chris Wildfoersterは、Axis Communications, Inc.の音声ソリューション事業開発マネージャーです。この職務において、彼は音声市場におけるAxisのプレゼンスを拡大するための戦略の開発を担当しています。Wildfoersterは、音声およびコントロール業界で30年にわたり、チャンネル構築、戦略的パートナーシップの推進、業務用およびプロフェッショナルAV市場における市場戦略の開発に携わってきました。クリスは、以下のような業界をリードする企業と仕事をしてきました: Bogen Communications、BOSE、Crestron Electronics、ClearOne、MUSIC Group。Wildfoersterは、AXVIA、CEA、CEDIA、NSCA、その他さまざまな協会に積極的に貢献しています。彼は、AV/ITインテグレーターやディストリビューターと協力し、新たな販路を開拓し、ビジネスおよび技術提携を結ぶエキスパートとして知られています。

Chris Wildfoerster
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